点検で「ピットに水が溜まっています」と言われたら
エレベーターの定期点検で、保守会社から「ピット内に水が溜まっている」「壁から水が染み出している」と指摘されて、初めて漏水に気づくケースは少なくありません。
水を抜けば、一度は床が見える状態に戻ります。しかし、雨が降った後や地下水位が上がったときに再び水が現れるなら、排水だけでは原因が解決していない可能性があります。
エレベーターピットは建物の最下部にあり、地下水の圧力を受けやすい場所です。コンクリートのひび割れ、壁と床の打継ぎ部、配管の貫通部、鉄部とコンクリートの取り合いなどに水の通り道ができると、外側を掘り返せない建物でも内側から水が入り続けることがあります。
大切なのは、見えている水だけを処理するのではなく、どこから入り、どこを通って、どこに出ているのかを見極めることです。
株式会社LIFIXは、東京都を中心に神奈川県・埼玉県・千葉県で、コンクリート建物の地下漏水調査と止水工事を行っています。エレベーターピットのひび割れや打継ぎ部からの漏水に対し、現地の状態を確認したうえで、高圧注入工事など適切な補修方法をご提案します。
エレベーターピットに水が溜まる主な原因
エレベーターピットの滞水は、①壁のひび割れ、②壁と床の打継ぎ部、③配管貫通部、④地下水位の上昇、⑤設備配管の漏れ、⑥結露・清掃水のいずれか、または複数が重なって発生します。
エレベーターピットに水が溜まる主な浸入経路
代表的な浸入経路のイメージです。壁面のひび割れ、壁と床の打継ぎ部、配管などの貫通部、ピット床の滞水を示しています。実際の原因は現地調査によって判断します。
1.コンクリート壁のひび割れ
コンクリートは乾燥収縮、温度変化、建物の動きなどによってひび割れることがあります。地上では細い線にしか見えないひび割れでも、地下では背面から水圧を受け、水の通り道になる場合があります。
ひび割れの表面だけをモルタルやシーリング材で塞いでも、コンクリート内部に水みちが残っていると、補修箇所の周囲や別の場所から水が現れることがあります。
2.壁と床の打継ぎ部
コンクリートを別の工程で打設した境界を「打継ぎ部」と呼びます。地下外壁と底盤の境界は、わずかな隙間や経年劣化によって漏水経路になりやすい箇所です。
壁と床の境目に沿って線状に濡れている、角から水が湧く、雨天後に同じ位置が濡れる場合は、打継ぎ部からの浸入を疑います。
3.配管・スリーブなどの貫通部
ピット周辺の配管やスリーブがコンクリートを貫通している部分では、管とコンクリートの取り合いに隙間が生じることがあります。見た目には配管漏れのようでも、実際には貫通部の外周から地下水が入っている場合があるため、発生源の切り分けが必要です。
4.地下水位の上昇や大雨の影響
普段は乾いていても、大雨が続いた後だけ水が出るケースがあります。地中の水分量や地下水位が上がることで、平常時には現れなかったひび割れや打継ぎ部から水が押し出されるためです。
「晴れると乾くから問題ない」とは限りません。雨の日、雨の翌日、数日後のどのタイミングで水が出るかを記録すると、原因調査の手掛かりになります。
5.排水設備や配管からの漏水
ピットの水がすべて地下水とは限りません。排水管、給排水設備、ドレン、排水ポンプなどの不具合が原因の場合もあります。水の色、におい、出る時間、天候との関係を確認し、コンクリートからの漏水なのか、設備からの漏水なのかを切り分けます。
6.結露や清掃水
湿度や温度差による結露、清掃時に流入した水が残っているケースもあります。一度きりの水なのか、継続して補給される漏水なのかによって、必要な対応は変わります。
排水は、ピット内に溜まった水を一時的に取り除く作業です。設備を確認するために必要なことはありますが、浸入口が残っていれば水は再び溜まります。
止水工事は、コンクリート内部の水みちや隙間へ止水材を充填し、水の浸入経路を遮断する工事です。
つまり、排水は「結果への対応」、止水は「原因への対応」です。
次のような状態では、排水後に漏水調査を行うことをおすすめします。
- 排水しても数日から数週間で水が戻る
- 雨の後に同じ位置から水が出る
- 壁や床の境目が常に湿っている
- 白い析出物や錆色の汚れがある
- ひび割れから水滴が出ている
- 保守点検のたびに漏水を指摘される
- ポンプを常時運転しなければ水位が上がる
機器や金属部の腐食
ピット内にはエレベーターの安全な運行に関わる機器や金属部材があります。湿潤状態が続けば、錆や腐食が進む一因になります。
電気設備への影響
水位や漏水位置によっては、電気部品や配線への影響が懸念されます。ピット内の確認や運行判断は、必ず保守会社の指示を優先してください。
カビ・臭気・衛生環境の悪化
滞水が長引くと、汚れや油分などと混ざり、臭気や衛生面の問題につながることがあります。水を抜くだけでなく、再び溜まる原因を止めることが重要です。
コンクリート劣化の進行
水がひび割れから入り続けると、鉄筋腐食、錆汁、欠損、爆裂などの劣化につながる場合があります。漏水箇所だけでなく、周囲の浮きや鉄筋露出も併せて確認します。
国土交通省のエレベーター保守・点検業務標準契約書でも、ピットの環境状況として漏水の有無が点検項目に含まれ、漏水がある場合は精密調査・修理が保守契約外の対応例として示されています。ピット漏水は単なる床の水たまりではなく、専門業者による原因確認が必要な建物側の問題です。
国土交通省「昇降機の適切な維持管理」
所有者が遵守すべき主な事項と法的義務は以下の通りです:定期検査報告(法的義務):建築基準法第12条に基づき、年1回、資格者(昇降機等検査員や建築士)による検査を受け、特定行政庁へ結果を報告することが義務付けられています
国土交通省は、建物の所有者・管理者に向けて「昇降機の適切な維持管理に関する指針」を策定しています。定期的な保守点検の実施や、不具合発生時の適切な対応、さらに「エレベーター保守・点検業務標準契約書」を用いた保守業者との適切な契約締結を求めています。
国土交通省サイトへ1.エレベーター保守会社・建物管理者へ連絡する
運行の継続可否や安全確保は、保守会社の判断を優先します。
2.無断でピットへ入らない
ピット内は設備があり、一般の方が立ち入る場所ではありません。水や設備へ触れず、専門者による確認を待ってください。
3.安全な場所から状況を記録する
発見日、天候、雨の何日後か、水深、漏れている位置、過去の発生状況を記録します。保守会社が撮影した写真があれば、相談時に共有してください。
4.設備漏れか建物漏水かを切り分ける
配管や排水設備に異常がなければ、コンクリートのひび割れ、打継ぎ部、貫通部などを調査します。
5.排水後も経過を確認する
水を抜いた時刻と、再び濡れ始めた時刻が分かると、漏水量や浸入経路の判断材料になります。
大雨による浸水のおそれがある場合や浸水が発生した場合の対応は、エレベーターの機種や建物の管理体制によって異なります。メーカーの取扱説明書や保守会社の指示を必ず確認してください。
漏れている場所と、水が入り始めた場所が同じとは限りません。表面だけを見て塞ぐのではなく、次の情報を組み合わせて浸入経路を絞り込みます。
- 壁、床、打継ぎ部、貫通部の目視確認
- ひび割れの位置と広がり
- 漏水量と水の出方
- 錆汁、白華、湿潤跡の分布
- 雨天との関連
- 過去の補修履歴
- 排水後の再発状況
- 周辺の配管、排水設備の状況
調査時には「漏れている一点」だけでなく、その周囲に連続するひび割れや打継ぎ部も確認します。水はコンクリート内部を移動して、入口から離れた場所へ出ることがあるためです。
ご相談時に分かると判断が早くなる情報
- 建物所在地
- 建物用途(マンション、ビル、店舗、施設など)
- 水を発見した日
- 雨天時だけか、常時か
- おおよその水深・範囲
- 保守会社からの指摘内容
- ピット内の写真
- 過去の排水・補修履歴
すべて揃っていなくてもご相談いただけます。写真だけでは確定できない場合は、現地で状態を確認します。
大切なのは、目の前の水だけをなくすことではありません。
なぜそこへ水が来たのか。
雨の日だけなのか、常に出ているのか。
ひび割れなのか、打継ぎ部なのか、設備なのか。
止水後にコンクリート補修まで必要なのか。
一つずつ確かめることで、必要な工事と、行わなくてよい工事が見えてきます。
株式会社LIFIXは、地下漏水の原因調査から高圧注入による止水、コンクリートの欠損・断面修復まで対応します。「保守会社から漏水を指摘された」「排水しても水が戻る」「どこへ相談すればよいか分からない」という段階でも構いません。
写真と分かる範囲の状況をお知らせください。
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