コンクリートのひび割れ防止方法
2024/04/26
コンクリートは耐久性が高く、マンションやビル、工場、橋梁、地下構造物など幅広い建築・土木構造物で使用されています。しかし、施工直後から数年後、あるいは数十年後にひび割れ(クラック)が発生することがあります。
ひび割れには、乾燥収縮や温度変化による軽微なものから、不同沈下や鉄筋腐食など構造的な問題が原因となる危険なものまでさまざまな種類があります。原因を正しく判断せずに放置すると、漏水や鉄筋腐食、コンクリートの爆裂、耐震性能の低下につながることもあります。
本記事では、コンクリート構造物の補修・補強を専門とするLIFIXが、コンクリートのひび割れが発生する原因、防止方法、補修工法、放置するリスクについて詳しく解説します。
目次
コンクリートのひび割れとは
コンクリートのひび割れ(クラック)とは、コンクリート表面や内部に発生する亀裂のことです。
ひび割れは建物や構造物の劣化を示すサインである場合もありますが、すべてのひび割れが危険というわけではありません。
例えば、乾燥収縮によって発生する微細なひび割れは、構造性能に大きな影響を与えないケースがあります。
一方で、鉄筋腐食や不同沈下、地震などが原因となる構造クラックは、耐震性能や耐久性を低下させる可能性があり、早期の調査・補修が必要です。
そのため、ひび割れを発見した際は、「ひび割れの幅」だけでなく、「なぜ発生したのか」という原因を確認することが重要です。
コンクリートにひび割れが発生する原因
コンクリートのひび割れは一つの原因だけで発生するわけではありません。材料、施工、環境、経年劣化など、さまざまな要因が重なって発生します。
・乾燥収縮
コンクリートは打設後、内部の水分が蒸発することで体積がわずかに縮みます。この収縮によって引張応力が発生し、表面に細かなひび割れが生じることがあります。
乾燥収縮によるクラックは新築工事でも発生する可能性があり、適切な養生や目地計画によって発生リスクを低減できます。
・温度変化
コンクリートは温度が高くなると膨張し、低くなると収縮します。
昼夜の寒暖差や季節による温度変化が繰り返されることで応力が発生し、ひび割れにつながる場合があります。
特に大断面のコンクリートでは、内部と表面の温度差による「温度ひび割れ」が発生しやすくなります。
・地震・外力
地震や大型車両による振動、風荷重などの外力によって構造部材に大きな力が加わると、柱や梁、耐震壁などに構造クラックが発生することがあります。
構造クラックは建物の安全性に影響を及ぼす可能性があるため、早めの調査が必要です。
・不同沈下
地盤が不均一に沈下すると、建物全体に偏った力が加わり、基礎や壁にひび割れが発生することがあります。
不同沈下が原因の場合は、ひび割れを補修するだけでなく、沈下原因の調査や対策も重要です。
・中性化・鉄筋腐食
コンクリートは時間の経過とともに中性化が進行します。
中性化が鉄筋位置まで達すると鉄筋が腐食し、膨張した鉄筋によってコンクリートが押し出され、ひび割れや爆裂が発生します。
鉄筋腐食が原因のひび割れは、断面修復や鉄筋防錆処理を含めた補修が必要です。
・施工不良
施工時の配合不良、締固め不足、養生不足、かぶり厚不足などもひび割れの原因になります。
コンクリートの品質は施工管理によって大きく左右されるため、適切な施工計画と品質管理が重要です。
コンクリートのひび割れの種類
コンクリートに発生するひび割れ(クラック)は、原因や構造への影響によって種類が異なります。
一見すると同じように見えるひび割れでも、経過観察で問題ないものから、早急な補修や構造調査が必要なものまでさまざまです。
そのため、ひび割れを発見した際は、「幅」だけではなく「原因」と「発生状況」を確認することが重要です。
・乾燥収縮クラック
乾燥収縮クラックは、コンクリート内部の水分が蒸発し、体積が収縮することで発生するひび割れです。
新築工事でも比較的多く見られ、コンクリートの性質上、完全に防ぐことは困難です。
一般的には幅が小さいものが多く、構造性能への影響は少ないケースがほとんどですが、ひび割れ幅が大きい場合や漏水を伴う場合は調査が必要です。
主な特徴
打設後数日から数か月で発生しやすい
表面に細く長いひび割れが現れる
構造性能への影響は比較的小さい
・温度ひび割れ(温度応力クラック)
コンクリートは温度変化によって膨張・収縮を繰り返します。
内部と表面の温度差が大きくなると引張応力が発生し、ひび割れが生じることがあります。
特に厚みのある基礎や橋梁、大規模なコンクリート構造物で発生しやすい傾向があります。
主な特徴
打設直後の大型構造物で発生しやすい
温度差が大きい季節に注意
適切な温度管理で予防可能
・構造クラック
構造クラックは、地震や過大な荷重、設計条件の変化などによって構造部材へ大きな力が加わることで発生するひび割れです。
乾燥収縮クラックとは異なり、建物の耐震性能や安全性に影響を与える可能性があります。
特に柱・梁・耐震壁に発生したクラックは、早急な調査が必要です。
主な特徴
幅が比較的大きい
柱や梁に発生することが多い
耐震性能へ影響する可能性がある
専門業者による調査を推奨
・不同沈下クラック
地盤の沈下量が建物の場所によって異なると、建物全体に不均一な力が加わり、壁や基礎へひび割れが発生します。
このようなクラックは、補修だけでなく地盤調査や建物全体の確認も重要です。
主な特徴
建物の角部に斜め方向のひび割れが発生しやすい
窓や開口部周辺にも多い
原因調査が重要
・鉄筋腐食によるクラック
コンクリート内部の鉄筋が腐食すると、錆の膨張圧によってコンクリートが押し出され、ひび割れや爆裂が発生します。
この状態を放置すると鉄筋断面が減少し、耐久性や耐震性能の低下につながります。
主な特徴
エフロレッセンス(白華)を伴うことがある
爆裂へ進行することがある
断面修復工事が必要になるケースが多い
危険なひび割れの見分け方
すべてのひび割れが危険とは限りません。
しかし、以下のような症状が見られる場合は、専門業者による調査をおすすめします。
幅が0.3mm以上ある
ひび割れ幅が大きい場合は、雨水が内部へ浸入しやすくなり、鉄筋腐食や漏水につながる可能性があります。
柱や梁に発生している
構造部材のひび割れは耐震性能へ影響する可能性があります。
漏水している
地下室や地下駐車場などで漏水を伴う場合は、止水工事も検討する必要があります。
鉄筋が見えている
鉄筋露出や爆裂が発生している場合は、断面修復工事が必要になるケースがあります。
コンクリートのひび割れを放置するリスク
コンクリートに発生したひび割れは、すべてが危険というわけではありません。しかし、原因を確認せずに放置すると、建物の耐久性や安全性に大きな影響を及ぼす可能性があります。
特に構造クラックや鉄筋腐食を伴うひび割れ、漏水が発生しているひび割れは、時間の経過とともに症状が悪化し、大規模な補修工事が必要になるケースもあります。
ここでは、コンクリートのひび割れを放置した場合に起こり得る代表的なリスクをご紹介します。
雨水や地下水が内部へ浸入する
ひび割れが発生すると、その隙間から雨水や地下水がコンクリート内部へ浸入しやすくなります。
特に地下室・地下駐車場・地下ピットでは、水圧の影響を受けやすく、小さなひび割れでも漏水へ発展することがあります。
漏水は建物内部の設備にも影響を与え、カビや結露、電気設備の故障など二次被害を招く原因にもなります。
鉄筋が腐食し耐久性が低下する
コンクリート内部に水分や酸素が侵入すると、鉄筋が腐食しやすくなります。
鉄筋は錆びると体積が膨張するため、その膨張圧によってコンクリートが押し出され、新たなひび割れや剥離が発生します。
さらに腐食が進行すると鉄筋の断面積が減少し、建物本来の強度や耐久性が低下する恐れがあります。
コンクリートの爆裂・剥落につながる
鉄筋腐食が進行すると、コンクリート表面が割れて浮き上がり、「爆裂」と呼ばれる現象が発生することがあります。
爆裂したコンクリートは落下する危険があり、歩行者や利用者への安全面でも大きなリスクとなります。
マンションやビルでは定期点検で指摘されるケースも多く、早めの補修が重要です。
耐震性能が低下する可能性がある
柱や梁、耐震壁などの構造部材に発生したひび割れは、地震時の耐力や変形性能に影響を及ぼす可能性があります。
特に構造クラックを放置すると、地震時にひび割れが拡大し、建物全体の安全性を損なうことがあります。
耐震補強が必要となる場合は、炭素繊維シート補強や鋼板補強など、建物に適した工法を選定することが重要です。
補修費用が高額になることも
初期段階で補修すれば比較的軽微な工事で済むケースでも、放置によって症状が進行すると、断面修復や止水工事、耐震補強など大規模な工事が必要になることがあります。
その結果、工事期間や費用が増加し、建物の利用にも影響を及ぼす可能性があります。
コンクリートのひび割れを防ぐ方法
コンクリートのひび割れを完全に防ぐことは難しいものの、設計・施工・維持管理を適切に行うことで、発生リスクを大幅に低減できます。
適切なコンクリート配合
使用するセメント、水、骨材の配合バランスを適切に管理することで、乾燥収縮やひび割れの発生を抑えられます。
十分な養生を行う
打設後の養生は非常に重要です。
急激な乾燥を防ぎ、コンクリートが十分な強度を発現できる環境を整えることで、乾燥収縮クラックを抑制できます。
温度管理を徹底する
暑い時期や寒い時期の施工では、コンクリート内部と外気との温度差が大きくなりやすいため、適切な温度管理が必要です。
適切な配筋・かぶり厚を確保する
鉄筋の配置やかぶり厚が不足すると、応力集中や鉄筋腐食の原因になります。
設計どおりの施工を行うことが、長期的な耐久性につながります。
定期点検を実施する
建物は完成後も経年劣化が進行します。
定期的に点検を行い、ひび割れの幅や進行状況を確認することで、大きな劣化を未然に防ぐことができます。
コンクリートのひび割れ補修方法
ひび割れの補修方法は、原因・幅・深さ・漏水の有無・構造への影響によって異なります。
LIFIXでは現地調査を行い、建物の状態に合わせた最適な補修工法をご提案しています。
コンクリートのひび割れでお困りならLIFIXへ
コンクリートのひび割れは、乾燥収縮による軽微なものから、鉄筋腐食や不同沈下、地震など構造上の問題が原因となるものまでさまざまです。
見た目だけでは危険性を判断できないケースも多く、原因を正しく見極めずに補修を行うと、再発や劣化の進行につながることがあります。
LIFIXでは、ひび割れを補修するだけでなく、「なぜひび割れが発生したのか」という原因の調査・診断を重視しています。
現地調査では、ひび割れの幅や深さだけでなく、漏水の有無、鉄筋腐食、コンクリートの劣化状況などを確認し、建物の状態に応じた最適な補修方法をご提案します。
また、LIFIXでは以下の工事を一貫して対応しています。
コンクリートひび割れ補修工事
エポキシ樹脂注入工法
Uカットシール材充填工法
断面修復工事
爆裂・鉄筋露出補修
地下室・地下駐車場などの止水工事
炭素繊維シート補強などの耐震補強工事
左官補修・コンクリート補修工事 「このひび割れは補修が必要なのか知りたい」「漏水の原因を調査してほしい」「どの補修方法が適しているか相談したい」など、どのような内容でもお気軽にご相談ください。
現地調査から補修工法のご提案、お見積りまで、コンクリート構造物の補修・補強を専門とするLIFIXがサポートいたします。
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