
床レベラー工事の費用目安:20㎡以下・施工厚10mmまでの場合、材料費・施工費を含む一式15万円程度(税別)。法定福利費・諸経費は別途です。下地処理、撤去・補修範囲、搬入・施工条件、使用材料により金額は変動します。
床レベラーのひび割れ・浮き・剥がれは、原因の切り分けが最優先
見た目が似ていても、補修方法と再発リスクは異なります
結論からいうと、床レベラーのひび割れ・浮き・剥がれは、同じように見えても原因が異なります。ひび割れは下地コンクリートの動きや既存クラック、施工厚・乾燥条件の影響を受けやすく、浮きは下地の脆弱層や清掃不足、プライマーの塗布・乾燥不良などで接着が切れた状態です。剥がれは浮きが進行した場合のほか、油分・接着剤残り・粉じん、水量や練混ぜ、材料選定など複数の要因が重なって起こります。
【費用の目安】20㎡以下・施工厚10mmまでの床レベラー工事は、材料費・施工費を含む一式15万円程度(税別)が目安です。法定福利費・諸経費は別途です。下地の研磨、既存材や接着剤の撤去、クラック補修、浮きの撤去範囲、搬入経路、施工時間帯、使用材料などにより金額は変動します。単に面積と厚みだけで決めず、再発原因を除去できる見積内容か確認することが重要です。
【症状の見分け方】
・ひび割れ:線状の亀裂が表面に現れ、下地クラックと同じ位置に続くことがあります。
・浮き:見た目に異常が少なくても、打診すると周囲と違う乾いた音がします。
・剥がれ:端部や薄い箇所から欠け、めくれ、粉化が進みます。
症状だけで原因を断定せず、打診・目視・高さ・下地状態を合わせて確認します。
1.下地コンクリートのひび割れ・動き
下地にあるクラック、打継ぎ、段差、構造的な動きや振動がレベラー層へ伝わると、同じ位置にひび割れが現れます。既存クラックを確認せず全面を流すだけでは、表面だけ平らになっても動きまでは止まりません。クラックの幅、方向、動きの有無、漏水や湿気の影響を確認し、必要な下地補修を先に行います。
2.脆弱層・レイタンス・粉じん・油分・接着剤残り
コンクリート表面が弱い、レイタンスや粉じんが残る、既存床材の接着剤や油分が残ると、レベラーは弱い層ごと浮くことがあります。見た目がきれいでも、研磨や清掃が不十分なら接着力は安定しません。打診と目視に加え、表面強度や付着を阻害する残留物を確認し、脆弱部分を除去します。
3.プライマーの塗布量・希釈・乾燥不足
プライマーは下地と床レベラーの接着を助け、下地からの吸水や気泡を抑える重要な工程です。製品・下地に合わない選定、塗りむら、希釈や塗布量の誤り、未乾燥のままの施工は浮きや気泡の原因になります。下地の吸い込みを見ながら、メーカー仕様に合わせて均一に施工します。
4.加水量・練混ぜ時間・材料の管理
水が多すぎると材料が分離し、強度低下、粉化、収縮ひび割れにつながります。少なすぎても流動性が不足し、平滑性や施工性が落ちます。材料の使用期限、所定水量、練混ぜ時間、一度に施工できる量を守り、途中で安易に水を足しません。
5.施工厚・高さ・流し継ぎ・漏れ止め
材料ごとの適用厚を外れた施工、急な厚み変化、不十分な高さ管理、流し継ぎの時間差、開口部や隙間の漏れ止め不足は、割れ、段差、しわ、欠損の原因になります。レーザーで仕上がり高さを確認し、必要数量と施工区画を事前に決めます。
6.温度・風・直射日光・下地水分・振動
低温、高温、強風、直射日光は硬化や乾燥を不均一にします。施工中の振動や、湿った下地への施工も不具合を招きます。気温、材料温度、通風、日射、雨水、設備稼働や他工事の振動を施工前に確認し、養生条件を整えます。
【補修か打ち替えかの判断】
局部的で原因が明確なら、浮き部分を健全部まで撤去し、下地処理後に部分補修できる場合があります。一方、打診で広範囲に空洞音がある、脆弱層が全面に残る、下地クラックが動いている、材料や水量の不良が面で発生している場合は、表面補修では再発する可能性が高く、広い範囲の撤去・再施工を検討します。LIFIXでは、症状を見る→打診で範囲を追う→レーザーで高さを測る→下地・水分・残留物を確認する→補修範囲と材料を決める、の順で判断します。
【現場条件に合わせた主な材料の使い分け】
・床レベラーG:マンション、学校、病院など一般建築物の床下地。シート仕上げなどの下地調整に使用します。
・タフレベラーG:工場、倉庫、駐車場など、重荷重や塗り床下地で高い強度と早い工程が必要な場合に検討します。
・勾配レベラー:防水下地などで水勾配をつくる場合に使用します。
・タフレベラーGプラス勾配用:重荷重床や塗り床下地で、強度と水勾配の両方が必要な場合に検討します。
・外床レベラーG:バルコニー、開放廊下、屋上などの防水下地と勾配形成に使用します。仕上げ材ではなく下地材として扱います。
・Uプライマーシリーズ:付着性を高め、下地からの気泡を抑えるため、使用するレベラーと下地条件に合わせて選びます。
最終的な材料は、室内・外部、仕上げ材、荷重、水勾配、厚み、工程、下地状態を確認して決定します。
【よくある質問】
Q.床レベラーのひび割れだけを埋めれば直りますか?
A.下地クラックや浮きが原因の場合、表面だけ埋めても再発します。まず原因と範囲を確認します。
Q.浮きは見た目で分かりますか?
A.分からないことも多く、打診で周囲と異なる音を確認して範囲を追います。
Q.15万円程度で必ず施工できますか?
A.20㎡以下・厚み10mmまでの材料・施工一式の目安で、税別です。法定福利費・諸経費は別途で、撤去・研磨・クラック補修・夜間作業・搬入条件・材料などにより変動します。
Q.見積り前に何が分かると早いですか?
A.所在地、面積、最薄・最厚の目安、仕上げ材、希望高さ、ひび割れや浮きの写真、搬入経路、希望工期をお知らせください。図面がなくても現地調査で確認できます。
区画流し込みで打ち継ぎ段差が出たときの補修
ひび割れ・浮き・剥がれと並んで現場で起きるのが、区画を分けて流し込んだ境界に段差が残るという不具合です。セルフレベリング材は自己水平性で平滑面をつくりますが、それは一度に流した範囲の中だけの話です。
なぜ区画の境界に段差が出るのか
広い面積を一度に流し切れない場合、区画を分けて順に流します。このとき先に流した区画の硬化が始まってから隣を流すと、2つの面は一体にならず、境界に打ち継ぎ跡と段差が残ります。
- 気温が高い|可使時間が短くなり、硬化の開始が早まります。夏場は区画割りの時間的な余裕がなくなります
- 面積が広い|1回で流し切れず、区画の数が増えるほど境界も増えます
- 手練りで施工する|1回の練り量と投入間隔に制約が出ます。搬入経路・電源・駐車条件でミキサーやポンプ圧送が使えない現場では手練りになります
- 投入の間隔が空く|材料の運搬距離、階数、人員数によって、隣の区画へ移るまでの時間が延びます
LIFIXの補修方法
段差が出た場合、当社は次の手順で補修します。流し直しではなく、段差部をケレンで落としたうえで薄塗り材ですり付ける方法です。
- 段差の確認|定規・レーザーで境界部の高低差と範囲を把握します
- ケレン|高い側を研磨して落とします。ここを省いて上から塗ると、段差の山が残ったまま厚みだけが増えます
- 清掃・脆弱部の除去|研磨粉を完全に除去します。残ると薄塗り材の接着不良になります
- 薄塗り材ですり付け|ポリマーセメント系の薄塗り材(ポリマーミックス20番・10番)で、周囲と連続した面になるようすり付けて仕上げます
- 乾燥・確認|仕上げ材の施工条件を満たすまで乾燥させ、平滑度を確認したうえで次工程へ引き渡します
薄塗り材は数ミリ単位の不陸調整に使う材料です。段差が大きい場合や下地に浮きがある場合は、この方法では解決しません。原因の切り分けが先になります。
実際にこの事象が起きた現場の記録を公開しています。
東京都文京区本郷・160㎡・真夏・手練りという条件で区画境界に段差が出た現場です。発生した段差の写真と、ケレン+薄塗り材での是正の様子を写真13枚で掲載しています。
内装解体後の床レベラー工事160㎡|段差の発生と是正までの記録を見る
気温・面積・練り方(手練りか機械練りか)・搬入経路・人員数から、1区画の大きさと投入の順番を先に決めます。特に夏場の大面積は、区画を小さくして投入間隔を詰めるか、機械練りが使える搬入条件かを着工前に確認しておく必要があります。
原因調査から補修まで一貫して対応します
床レベラーの不具合は、表面を削って流し直せば直るとは限りません。下地の動き、浮き、脆弱層、プライマー不良のどれが原因かで、必要な工事が変わります。株式会社LIFIXはコンクリート構造物補修の専門工事会社として、打診・調査による原因の切り分けから、エポキシ樹脂注入・断面修復・下地のやり直しまで自社で施工しています。
関連する補修の施工実績
下地のひび割れ・段差・欠損を実際に補修した現場です。写真付きで工程を公開しています。
- 東京都文京区本郷|設計事務所内装解体後の床レベラー工事160㎡|区画境界の段差をケレン+薄塗り材で是正真夏・大面積・手練りの条件で生じた打ち継ぎ段差と、その補修工程を写真13枚で公開
- 東京都千代田区土間コンクリートひび割れ・段差補修工事構造体クラック部をUカットして充填し、段差を是正した事例
- 東京都豊島区|大規模複合施設電気室モルタル巾木補修|セメンテックスFVによる断面修復欠損したモルタル部分を断面修復材で復旧した事例
- 神奈川県川崎市|郵便局厨房跡タイル下地45㎡の不陸調整・長尺シート下地作成既存タイル下地とグリストラップを埋め戻し、平滑な下地を3日で作成した事例
- 東京都港区青山|マンション改修工事|土間モルタル工事・床レベラー施工マンション改修に伴う床下地の調整
不具合の写真を送ってください|調査・概算お見積り無料
次の3点が分かると、原因の見当と必要な工事をご案内できます。
- 不具合が出ている箇所の写真(全景と寄りの2枚)
- いつ施工して、いつ症状が出たか
- 上に貼っている仕上げ材の種類(長尺シート・フロアタイル・塗床など)
他社施工分の調査だけのご依頼も承ります。原因が施工によるものか下地によるものかで、責任範囲と補修方法が変わるためです。
TEL 03-6679-2487(平日 8:00〜17:00)
対応地域:東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県
- 床の不陸調整・セルフレベリング(床レベラー)工事|対応できる床条件と単価
- 床材撤去後の下地補修・原状回復|接着剤残り・段差・欠損の復旧
- 長尺シート下地の不陸調整・下地作成|貼る前の下地づくり
- コンクリート欠損・断面修復|欠損部の充填